2014.1.23 [生活準備マニュアル]
【第九回】 単身赴任と慣れ
第九回 単身赴任と慣れ
●単身赴任が家族の絆を深める
辞令を受けたときは、誰もが戸惑いを持つ遠方への転勤。
「単身赴任をするか? 家族で引っ越すか? 子どもの学校は......?」などと様々な問いかけを自らに行ったことでしょう。そしていざ始まった単身赴任生活。最初のうちは寂しくて仕方ないという方がほとんど。
久しぶりに家族に会ったあと、別れるのが辛くて、見送り際に泣いてしまったという方も少なくないようです。
とはいえ、人間、何にでも慣れていくものです。生活のリズムができてくると、寂しさも半減し、自由な時間や単身赴任先での新しい人間関係を楽しむようになってきます。
もちろん、慣れることが悪いわけではありません。掃除の手際が良くなったり、ぼんやりとテレビを見ながら孤独に過ごすしかなかった時間を、活き活きと楽しむことができるようになるのは、とてもいいことです。
また「精神的に強くなった」「夫(妻)の不在を常に感じながらの生活なので、その存在のありがたさに改めて気づくきっかけとなった」「単身赴任という困難を一緒に乗り越える人生の同志、という面ができたため絆が一層強くなった」と、精神的な成長や家族の愛情をより深めあえたという方たちもいます。
単身赴任の慣れが、このように良い結果を生むように、努力していきたいものですね。
けれども、良いケースだけではありません。
●「慣れる」ことで起きるトラブルとは
例えば「一人の時間」や「自由」に慣れてくると、どうしても家族への連絡や帰省が怠りがちになってくるもの。費用や労力、時間もかかるために、どうしても億劫になってくる方も出てくるのでしょう。
寂しさのために奥さんが引きこもりがちになってしまったり、子どもたちが精神不安定になってしまったりというケースもあります。
もちろん逆に、ご主人のいない生活に家族の方が慣れてしまったために、ご主人が孤独感に苛まれ、うつ病になってしまったりするケースもあります。
お金があっても、家族が精神的に病んでしまうようでは、幸せとは言えません。
では、そうならないためにどうしたら良いでしょうか。
●密な連絡が家族仲を取り持つ
やはり、こまめに連絡を取り合う事が何よりも大事でしょう。
なかでも心がけたほうが良いことは、「離れていても心は一緒」ではないですが、情報をこまめに共有することではないでしょうか。
例えば、子どもの成長。毎日のように起こるちょっとしたハプニングや、できるようになったこと、はたまた「こんなことで困っている」といったことでも良いでしょう。
もちろん、お互いのちょっとした変化に気を配る事も大切です。ちょっとしたことでイライラして怒る、お酒に頼ることが増える、家が片付かずに荒れてしまう、といったことは、精神の不調のサインです。
こういった兆しが見えたら、多少の無理をしてでも家族で一緒にいられる時間を増やすことをオススメします。
家族が心身ともに健康であるからこそ、幸せを感じられるもの。単身赴任生活が長くなったときには、ちょっと、注意をしてみてください。
第十回 単身赴任と長期休暇 は2月25日更新予定です。お楽しみに。