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2014.6.18 [体験談]

【第十三話】 35歳課長 初めての単身赴任物語

突然、転勤を命じられたサラリーマンの悲哀こもごもストーリー
第十三話 「単身赴任先での挨拶」
「東京へ行ってくれないか?」
突然、上司から人生初の〝転勤〟を打診されたわたし。
帝都太郎(仮名 食品販売会社 課長 35歳 妻子持ち)
妻、同僚から単身赴任の準備やケアについてレクチャーしてもらったわたし。いよいよ単身赴任当日を迎え、意気揚々と現地に乗り込んだわたし。しかし、単身赴任先でさっそく問題が発生するのであった...

●単身赴任スタート! 忘れものはないかな
「パパ、行ってらっしゃい」SINNKANNSEN.jpg
「到着したら連絡してね」

妻と娘に見送られ、単身赴任先へと向かうわたし。
単身赴任の住まいとして家具・食事付賃貸を選んだのでほぼ手ぶらのような状態だ。
新幹線に揺られ、新生活に対する期待と不安がこみ上げてくる。

「書類関係の手続きは終わっているし、ガス、電気、水道の手配も大丈夫...生活用品は着いてから買うとして...」

妻や同僚のレクチャーを受け、準備は万端と言えた。近隣のお店の情報もインターネットで調べて距離感と位置も把握している。

「大きなスーパーが近くにあるのはありがたいよな」

食事付賃貸なので、食生活についてはそれほど心配はしていないのだが、生活用品は現地で調達したほうが荷物の搬送料を考えると割安になることが多いのだ。歩いていける距離にスーパーがあるのはラッキーというべきだ。

「生活に慣れたらジムにでも通ってみようかな」
駅前にジムがあることを知ったわたし。単身赴任の楽しみとして、新たな趣味を見つける、自分の時間を有意義に使う、とあるようにわたしも単身赴任を駅前にジムがあることを知ったわたし。単身赴任の楽しみとして「新たな趣味を見つける、自分の時間を有意義に使う」とあるようにたしも単身赴任をきっかけに身体作りに挑戦しようと企んでいた。

「以外に単身赴任の楽しみってあるかも...」
こんなことを考えていたら、あっという間に単身赴任先のマンションに到着した。

●管理人に挨拶。そこで気づいたものは...

「あの~すみません、303号室に引っ越してきた帝都ですが...」
「ああ、今日からの方ですね。お待ちしておりました」

とりあえず管理人さんが人の良さそうな方で一安心だ。

「ここは家具・食事付賃貸マンションですから、帝都さんのような単身赴任の方が多いんですよ」

「へぇ~そうなんですね」
ここでふとした疑問が頭をよぎった。

「あれ、もしかして引っ越しの挨拶をしなくちゃいけないんじゃないか...?」

そう、わたしは準備に熱中するあまり「引っ越しの挨拶」を完全に忘れていたのであった。

あわてて妻に電話をかける。
「もしもしっ」
「あら、着いたの?案外早かったわね」

「いや、着いた報告じゃなくて引っ越し先の挨拶を完全に忘れていたんだけど...」
「えーっそんなの言わなくてもわかってると思ったから、黙っていたのに忘れていたの!?」

妻の容赦のない言葉が胸を突き刺す。

「とりあえずどうすればいいかな...」

●困ったときの妻頼み。挨拶はどうするべきか

SOSINA.jpg「本来は粗品を用意するべきだけど、今からあわてて準備してもしょうがないから、今日は挨拶だけ済ませればいいんじゃない」

「どこまで挨拶すればいいんだ?」
「管理人さん、左右の方、そしてできれば上下の方にも挨拶しておいたほうが今後なにかあったとき安心かもね」

「手ぶらで大丈夫かな」
「今日越してきて、まだ荷ほどきが終わっていないので、後日改めて挨拶させていただきます。物音がするかもしれませんが、申し訳ございません。っていう感じの挨拶でいいんじゃないかしら」

とっさに挨拶の例えが出るとは、主婦もなかなかあなどれない。

「粗品は安いものでいいからね。洗剤とかタオルとか貰って困らないもので十分よ」

「わかった、明日買いにいくよ」
「日を空けると悪印象を与えるかもしれないからなるべく早めにね」
お礼を言い、電話を切ろうとしたわたしに妻はこう続けた。

「あなた、挨拶の本当の意味わかっている?」

挨拶の本当の意味? 意味深な妻の言葉にわたしはただ首をひねるのであった...

次回「挨拶の本当の意味」は6月10日更新予定です。お楽しみに。

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