2014.5. 2 [生活準備マニュアル]
【第十二回】 単身赴任の実態
第十二回 単身赴任の実態
転勤の辞令が下りると、送別会に参加したり、引っ越しの準備をしたりと、慌ただしい毎日を過ごすことになります。単身赴任をするかどうかは、その時の家族の状況などで、最も現実的な判断で決まることがほとんどです。
つまり、単身赴任をする前には、感情の整理はなかなかできない......ということになります。
「家族と離れたら寂しいだろうな」「家事には不便があるのだろうな」などの想像はもちろんしているでしょうが、実際に経験するものとは、やはり別物。実際、単身赴任生活をした方たちは、一体どのような感想を持っているのでしょうか。
<メリット>
単身赴任者
●新しい土地に行ったことで、新しい人との出会いができた。
●家に帰るのがとても嬉しい。妻の態度が優しく感じる。
●自分の自由な時間が増えた。
●料理の腕が上がった。
残された家族
●子どもが自立して、母親を助けるようになった。
●子どもの転校がなかったため、環境の変化などを気にしなくてよい。
- ● 精神的に強くなった。
- ● 夫に感謝するようになった。
●離れているため、今まで以上にコミュニケーションを積極的に取ろうと努力したことで、家族の絆が深くなった。
<デメリット>
単身赴任者
●子どもの成長を間近で見られず、行事なども参加できないことがある。
●毎日の食事の支度や洗濯などの家事が面倒になってくる。
●大型連休やお盆、正月といった時期は帰省ラッシュで混雑するため行き来が大変。また、飛行機代も高い。
●帰りが遅くなった日などは、夕食を食べずに、お酒を飲んで寝てしまうなど、あきらかに「健康に悪い」と思うことを多くするようになった。
●家に帰っても「おかえり」と言ってくれる人がいないので、寂しさやわびしさを感じる。
残された家族
●夕食が手抜きになった。家事もやや雑になった。
●子どもが小さいため、1〜2カ月に1度しか帰ってこない父親のことを忘れてしまう。
共通
●帰省のための交通費がかかるだけでなく、別々の生活を送るため生活費が嵩む。また、通信費(電話代)も増え、出費が非常に増えた。
具体的にピックアップすると、このような意見が目立ちます。まだ、子どもの学業に影響がない小さな間は、できるだけ家族で一緒に転勤先に引っ越したほうが良いという意見も多く見られます。
また、一人暮らしの経験があったり、元々マメで家事を厭わずに行える男性は、健康面でもそれほど問題はないのかもしれませんが、家事に苦手意識がある方や、ズボラな面がある方は、健康面にも悪影響がありそうです。
また、「健康面」については、奥様も「最も心配していること」に上げられています。
心配な方は「食事付き賃貸」を利用することも検討してみてはいかがでしょうか。
逆に言えば、性格上の欠点などを把握した上で、単身赴任だからこそ生じてしまうデメリットへの対策を練れば、乗り越えられるとも言えるでしょう。特に、健康面に関しては、このような対策を練っている方もいらっしゃいます。
●煮物やハンバーグ、炊き込みご飯などの手間のかかる手料理を1〜2週間分冷凍し、クール宅急便で送ってあげる。
●健康と節約のために自転車通勤をしている。
●増えた自由時間で、身体を動かす趣味を新しく始めたり、自己啓発に努めている。
このように、様々な工夫をして、単身赴任中の生活をよりよい物にしている方が目立ちます。ただ単身赴任という試練を耐えているだけですと、やはりつらいものになってしまいますが、このように前向きに取り組んでいけば、家族の絆も強くなり、思い出深い時期になりそうですね。
第十三回 単身赴任の盲点 は5月23日更新予定です。お楽しみに。