2013.10. 9 [体験談]
【第六話】35歳課長 初めての単身赴任物語
突然、転勤を命じられたサラリーマンの悲哀こもごもストーリー
第六話 「単身赴任の便利グッズ」
「東京へ行ってくれないか?」
突然、上司から人生初の"転勤"を打診されたわたし、
帝都太郎(仮名 食品販売会社 課長 35歳 妻子持ち)
家族会議の結果、家具・食事付き賃貸にお世話になることが決定。各手続きも妻に説明してもらい、準備万端と思っていたのだが「生活を楽にする単身赴任グッズ」なるものがあるらしい...
「あなた、もしかして家具付きの賃貸に入居したからって、そのまま生活できると思っていないわよね?」
「えっ...だってカバン1つで行けるって...」
「確かに入居したその日から生活はできるわよ。テレビ、ベッド、冷蔵庫、電子レンジなんかも付いているかもしれないわね」
「充分じゃないか」
「最低限の生活用品が揃っているだけであって、冷蔵庫の中にビールやおつまみが用意されているわけじゃないのよ」
なるほど、妻の言いたいことがようやくわかった。
家具付き賃貸に入居し、寝て起きる生活はすぐにできるが、生活する上で必要なものは自分で用意しなければならないということだな。
「今使っている生活用品が、家具付き賃貸に備わっているか確認したほうがいいわね」
「たとえば?」
「数えだしたらキリがないけど、家の中にあるもので目につくものを挙げてっても...」
◆キッチン...フライパン、鍋、やかん、ポット、まな板、茶碗、コップ、洗剤、スポンジ
◆調味料...塩コショウ、醤油、砂糖、油
◆お風呂...ドライヤー、シャンプー、コンディショナー、石鹸入れ、タオル
◆リビング...テレビ、カーテン、テーブル、時計、ごみ箱、
◆洗濯...洗剤、洗濯カゴ、ハンガー、洗濯ハサミ
◆トイレ...トイレットペーパー、トイレ用洗剤、掃除ブラシ、便座カバー、消臭剤
◆雑貨類...小物入れ、文房具(ハサミ、カッター等)、傘、ティッシュ、ゴミ袋
◆薬類...風邪薬、頭痛薬、胃薬、体温計
「なに言っているのよ、これでも最低限のものよ。単身赴任を始めたら、足りないものなんてもっといっぱい出てくるんだから」
...うーん、あらためてみると、人が生活していくうえで必要なものがたくさんあるんだな。
「こういう細かいものは、持っていくときに荷物になるから現地で調達するのが基本ね。忘れないようにチェックシートを作っておくといいかも」
タダで住めるところはない、とはよく言ったものだ。今の生活からティッシュ1つ無くなっても不便に感じるだろう。
「最低限必要なものはわかったけど、単身赴任生活を便利にするグッズってなんだい?」
「それはね...」
●新しく購入しても無駄にならない、生活便利グッズ
「あなた、毎日掃除する気ある?」
「えっ、あ、あるよ」
正直、自分が毎日掃除する姿がまったく思い浮かばないのだが、なにを言われるかわからないので返事だけはヤル気を見せた。
「まぁ、毎日お仕事の後に掃除をしろっていうのは無理な話よね。だから、自動掃除ロボットを使えばいいのよ」
「自動掃除ロボットって、留守にしている間、勝手に掃除してくれるロボットのこと?」
「そう、これだったら単身赴任が終わった後でも使えるしムダな出費にはならないわよ」
なるほど、必要ないと思っていたものでも、自分が使うとなれば便利かもしれない。
「ほかにも、洗濯ものを干した後そのままハンガーラックとして使えるラックや、ポータブル布団乾燥機なんてのもあるわよ」
◆掃除機...自動掃除ロボット
◆洗濯もの...たたまないでそのまま干せる部屋干し兼用ハンガーラック
◆布団...ポータブル布団乾燥機
◆マッサージ器具...マット式ストレッチ器具
◆ポット...電気ケトル
◆空気循環...ポータブルサーキュレーター
「ざっとこんな感じかしら」
「...これっておまえが欲しいものじゃないのか?」
「なに言っているのよ! 主婦が欲しいものが一番の便利グッズなんだから! それにどれも単身赴任用に買った後でも使えるものばかりじゃない」
確かに主婦の目線で選ばれたものばかりかもしれない。
買ってムダにならないのであれば購入してもよさそうだ。
家具付き賃貸で支出を抑えられる分、こういうグッズにお金をかけるのは賢い選択と言えるだろう。
妻との単身赴任のやりとりを一通り終え、床についたわたし。
一日でいろいろなことを頭に叩き込まれたおかげか、すぐに眠りについた。
だが次の日、会社に行ったわたしは同僚からの忠告に戦々恐々するハメになるのであった...
次回、「単身赴任と心のケア」は11月8日更新予定です。
お楽しみに。